普段、私たちが使っている「米」という漢字はどのようにできてきたのでしょうか。ご飯やおにぎりなどで日常食べているお米の漢字の由来や成り立ちについてふと気になったので調べてみました。「米」という漢字がどのように作られてきたのか気になる方は参考にしてみてください。
米の名前の語源にはどんな由来があるの?
お米という言葉の語源の由来にはいくつか説があります。ここでは2つの説を紹介します。米の語源に興味がある、米の言葉にはどんな由来があるのか知りたいという方は参考にしてみてください。
「こめる」という意味からきた説
日本でお米は古くから食べられているとても大切な穀物であり、さまざまな儀式や祭礼などで使われるほど大事にされていたと考えられます。今でも五穀豊穣などの祭礼や儀式にお米がでてくるほど大切なものとして扱われています。
米の語源は、「こめる」は「つめる」や「入れる」の意味があり、心を込めるなど、動作をあらわしているものの可能性が高いようです。この説がもっとも有力とされています。
「小さな実」という意味からきた説
もともと「米」は穀物の「小さな実」をあらわしていて、穀物の小さな実を指す「こみ(小実)「こめ(小目)」などから転じて「こめ(米)」と呼ばれるようになったと考えられています。
「米」は稲穂をかたどった象形文字
稲をあらわす漢字には「禾(いね、か、かのぎ)」とその実の「米」という2種類があります。ともに稲穂をあらわす象形文字だと言われています。これは漢字の原型とされる甲骨文字からうかがえます。
甲骨文字とはどんなものなの?
甲骨文字とは亀の甲羅や獣の骨に刻まれた現存する最古の中国の文字なのです
象形文字はどんなもの?
象形文字とはものの形からできた文字を指し示している文字なんだよ
「禾」のつく甲骨文字
頭をたらした稲穂の形をあらわしています。禾偏のつく漢字には「稲」「穂」「種」「穫」などの稲作に関係するものが多いとされています。
「米」という字の甲骨文字
「米」の漢字の成り立ちはどうなっているのでしょうか。「米」の甲骨文字からの変化について紹介します。
- 「米」の甲骨文字は横線の上下に点がそれぞれ3つあります。
- 線は稲穂の茎を、点は実をあらわしています。
- 真ん中の点が縦につながって「米」という漢字になっていきました。
米の八十八の理由と工程
「米」という字は「八十八」という文字からつくられたといわれています。「米」という字を分解すると「八」「十」「八」にわけられます。この3つをつなげると「八十八」になります。
米作りには1年で88回もの工程と手間がかかるといった意味も込められています。お米を作るために多くの苦労があるという理由から大切で貴重なものとして捉えられてきた証といえます。
米粒が飛び散った形からという説
米という漢字の由来には、八十八の工程や手間がかかったという説のほかに米粒が飛び散った姿からできたという説もあります。飛び散った説については農林水産省のサイトにも説明があります。
出典:農林水産省 「米という字の由来(ゆらい)をおしえてください。」
米偏の付く漢字
米偏のつく漢字には「籾」「糠」「粃」などのように米の部位などをあらわす漢字も存在します。他には「粉」「粋」「料」などのようにお米とあまり関係がないと思われる漢字、もしくは人の手によって加工、調理品とあらわす漢字もあります。もともとの意味をたどると米との関係が見えてきます。
「粉」はお米を砕くだき分けたもの
「粉」という漢字の意味は砕けて細かくなったもの全般を指す漢字ですが、もともとはお米を砕き分けたものを指し示す漢字だったといわれています。
「粋」は混じりけがないことを意味する
「粋」は混じりけのないものを意味する米偏のつく漢字ですが、米とあまり関連がないように感じるかもしれません。しかし、もともとは精米することで不純物を取り除いた米をあらわす漢字でした。
「糀こうじ」は日本で作られた和製漢字(国字)
また、漢字のなかには中国から伝わったものと別に和製漢字もあります。「糀」は日本で作られた漢字(国字)です。よく使われている「こうじ」は「麹」と書いてあったり、使われたりしています。
麹と糀の違いは、「麹」は麦で作ったももの、「糀」は米を使って作ったものを指します。「糀」に携わっている人たちのこだわりや思いが感じられます。これらのように米をあらわす漢字は多く存在しており、昔から日本人の生活にはとても重要な意味があるのがわかります。
米偏のつく漢字の一例
ここでは米偏のつく漢字についていくつか紹介します。いずれも「米」に関連して作られた漢字です。どんな漢字があるのか知りたい方や興味のある方は参考にしてみてください。
米偏のつく漢字 | 読み方 | 米についての意味 |
籾 | もみ | 和製漢字(国字)。稲などの穀物の実のことをあらわす。 |
粃 | しいな | からばかりで実のないもの(籾など) |
糠 | ぬか | 玄米を精米したときにでた果皮、種皮、胚芽などのこと |
粳 | うるち | 更は、かたいこと意味する。 |
糯 | もち | もち米、餅をあらわす漢字。需は、やわらかいことを意味する。 |
粒 | つぶ | 小さくて丸いもの。 |
粕 | かす | 酒を造ったときにでるしぼりかす・副産物。 |
粽 | ちまき | もち米や餅を笹や茅(ち)などで巻いて蒸したもの。 |
糒 | ほしいい | 炊いたお米や蒸したお米を天日干しにして乾燥をさせたもの。 「ほしめし」ともいう。 |
糀 | こうじ | 和製漢字(国字)。米を使って作られたもの。 |
料 | りょう・はか(る) | はかる。おしはかるの意味。 |
糊 | のり | ねばるのもをかためるの意味がある。のりはもともと米の粉を煮て作った。 |
粋 | すい・いき | 混じりけのないことを意味する。精米することによって不純物を取り除いた米をあらわしている。 |
粉 | こな・ふん | 砕けて細かくなったものを意味する。 |
まとめ
ここまでは「米」という漢字の由来や成り立ちなど、お米という漢字がどうやって作られたのかについて紹介をしてきました。普段、食べているお米は古代から大事にされ、さまざまな思いがこめられているのがわかります。これからもお米がお米を食べる文化のある諸外国の人々や日本人にとって大切なものであることは間違いありません。さまざまな思いがつまったお米をおいしく食べていきましょう。
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